第3回:3Dスキャンしたデータのその後

3Dスキャンしたデータのその後

まず始めに、3Dスキャンして得られるデータはどのようなものか確認していきます。

スキャンされたデータは一般的に「点群データ」と呼ばれるデータになります。「点群データ」とは(x,y,z)の座標の値を持つ点の集合です。「ポイントクラウド」(Pointcloud)とも呼ばれます。代表的な拡張子には.asc, .csv, .txt, .xyz,などがあります。一つ一つの点に座標の情報に加え色の情報を持たせることで、カラーでのデータにすることもできます。

この「点群データ」の点を直線で結び三角形を作り、その三角形に囲まれたエリアに仮想的に面を貼ったデータを「メッシュデータ」と呼びます。代表的な拡張子に.stl, .plyがあります。特に.stlは3Dプリンタで出力するときにも用いられることでも有名です。「メッシュデータ」の外見は下記の画像のようなものになります。「点群データ」から「メッシュデータ」への変換は簡単に行うことができます。また、3Dスキャナーによっては直接「メッシュデータ」が出力されるものもあります。

点群データ
メッシュデータ (共にデジタルカメラの画像より3Dデータ化する技術を使用)

CADデータにも3Dデータがあります

みなさんがご存知の3Dデータに「CADデータ」があるのではないでしょうか。3DCADは現在設計で多く用いられています。これは3Dスキャナーで取得した「点群データ」や「メッシュデータ」とどう異なるのでしょうか。

「CADデータ」はジオメトリデータという分類に入ります。例えば円柱の場合、原点を中心に半径をXmm、高さをYmmの円柱である、と言ったように、全てを数式で表すことができるデータとなります。同じ円柱をスキャンして得られる「点群データ」は一見見た目は同じでも、実物をより精密にスキャンする為であったり、測定時の誤差などからバラツキがあり、同じ円柱状に全ての点の座標が乗っているということはありません。

3DスキャンしたデータはCADデータではありません

よく誤解があるところですが、3Dスキャンすればすぐに測定対象ワークのCADデータが得られると思ってしまいがちですが、そうではありません。あくまで、3Dスキャンして得られるのは「点群データ」や「メッシュデータ」です。もちろん、それらのデータからCADデータを作成することもできます。それには自動のソフトなども出ていますが、なかなか綺麗に行かないことも多く、現状では綺麗なCADデータを作成するには人の手で面を貼っていくという手段が主力です。この工程は測定対象物の複雑さによって工数が大きく異なり、かかる費用もそれによって大きな幅があります。

3Dスキャンを行う目的を考えよう

ここまで読んでいただいて、CADデータを得るのにそんなに手間がかかるのであれば、3Dスキャナは不便なものだと思ってしまった方もいるかもしれません。しかし、全ての人にとってCADデータが必要というわけではありません。例えば製品の検査をしたい場合や、ワークの現在の形状の保存などの目的は、「メッシュデータ」で実現可能となります。逆に、CADデータが必要な場面は、スキャンしたワークからもう一度同じ製品を作りたいとき、NCなどで加工する必要があるときなどに限られます。

何を目的として3Dスキャンを行いたいかを明確にすることで、本当にCADデータが必要なのかが決まり、それによってどのような種類のスキャナーが向いているか、どこまでの精度でスキャンするべきかといったことも変わってきます。導入の際にはしっかりとご検討ください。

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