第8回:ハンディー型3Dスキャナーの選び方

測定方式と座標認識方法について

ハンディー型3Dスキャナーの測定方式は、大きく分けるとランダムパターン投影方式とラインレーザーを用いた光切断方式があります。

ランダムパターン投影方式は、LED光源からランダムパターンを測定対象ワークへ投影し、投影したパターンの歪みをカメラで撮影、対象物の形状を算出する方式です。処理速度が速いため、高速度でスキャナーを動かし連続撮影することができます。

ラインレーザーを用いた光切断方式は、1本または複数本のラインレーザーを照射し、ラインの断面形状をカメラで認識することでワーク形状を算出する方式です。断面の集合を合成するため、位置座標を合わせるためにワーク表面にマーカーシールを貼り、スキャナー座標位置を捕捉する必要があります。

ハンディー型3Dスキャナーの座標認識方式には主に、トラッキング方式、マーカーシール方式、形状ベストフィット方式の3つの方式があります。

トラッキング方式は、主に光切断方式のハンディスキャナーで用いられ、レーザートラッカーもしくは画像トラッカーシステムを用いて、ハンディスキャナーの座標位置と姿勢をリアルタイムで認識する方式です。このため、トラッキングシステムと、対象ワークは固定されている必要があります。

マーカーシール方式は対象ワークに不規則にマーカーシールを貼り、座標基準をワーク状に持たせる方式です。ワークが変形しない限り、裏表をひっくり返しても座標を認識しながら測定を続けられるため比較的正確な測定が行えます。

形状ベストフィット方式は、主にランダムパターン投影方式で用いられる方法です。スキャナーを動かしながら高速度で複数ショット撮影し、各ショットの3Dスキャンデータの中からオーバーラップした部分を見つけ、形状を最小二乗法でつなぎ合わせていく方式です。比較的短時間で広い範囲のスキャンが行えるので、人体や、マーカーの貼り付けのできない文化財等の対象物に効果を発揮します。

購入時にチェックすべきこと

  • 使用目的、使用頻度、使用場面を明確にする。

導入目的が製品形状の検査なのか、3DCAD化のためなのか、スキャン対象ワークのサイズは一定か、月何回程度使用予定か、屋内での使用が主か、屋外での使用が主か、出力データ形式は求めているものかなどを確認し、要件にあったスキャナーを絞り込みます。

  • 実機による比較を行う

次に、カタログだけではわからないことも多くあるので、実機のデモンストレーションをお願いして実機の比較を行いましょう。スキャンクオリティの比較だけでなく、ハンディスキャナーは片手での作業になることが多いので、重量・サイズの確認、スキャンスピードの確認、機材のサポート体制の確認なども重要です。また、導入後ずっと作業を共にする専用ソフトの使いやすさの確認も忘れてはいけません。

手軽で便利そうに見えるハンディ型3Dスキャナーですが、自社のニーズに合っていないものを導入してしまうと、やりたかったことが全くできなかった、などという結果になってしまいかねません。導入時はそういったことが起こらないようにしっかりと検討を行いましょう。

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当会ではいつでも対面またはwebでご説明(初回無料:2回目以降有料)いたしますので、興味をお持ちの方は是非お知らせください(メール相談は無料です)。
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