第25回:要求精度と測定範囲

要求精度?測定範囲?

3Dスキャナーを使って、3Dデータを撮ろうと思う方が増えてきています。最近までは、うちでは必要ないかなと言われてた方も導入検討を進めています。その証拠にセミナーや展示会で課題をもって来場される方が多くなってきています。

そこで今回は、測定範囲における精度を簡単に解説いたします。

ワークをどれくらいの精度で測定する?

  • ワークを0.05mmで測定したい。

→0.05mmで測定できる3Dスキャナーを限られています。物理的に精度保証が難しいからです。ですが、測定可能な測定器も存在します。ただし、測定範囲がかなり狭くなります。10cm立法程度と考えてもらえれば良いかと思います。

  • ワークを0.1mmで測定したい。

→ハイエンドの3Dスキャナーが良いと思います。形状の複雑さもありますが、0.1mmの精度で測定するこは可能です。測定範囲も1mくらいは測定できます。フォトグラメトリーを併用する事で、もっと広範囲に測定する事も可能です。

  • ワークを0.5mmで測定したい。

→3Dスキャナーの活用をお勧めします。ハンディスキャナーでも良いと思いますが、測定範囲が広くなりすぎる(1mを超えると)と、精度が劣化しますので注意が必要です。1m以上のワークである場合は、ハイエンドのスキャナーが良いと思います。また、幾何形状や寸法だけで良いと言う場合は、タッチプローブを活用した測定器もあります。

  • ワークの形状を1mmくらいの精度で良いから再現したい。

→形状を測定したい場合は、3Dスキャナーが良いと思います。測定範囲も2mくらいに広げる事が可能です。

  • ワークの寸法を1mmくらいの精度で測定したい。

→寸法だけで良い場合は、タッチプローブを活用した測定器が良いかと思います。また、単純に距離だけを測定したい場合は、レーザー距離計等を活用しても良いかと思います。測定範囲も5mを超える事ができるのでとても便利です。

  • ワークの形状を5mmくらいの精度で測定したい。

→ToF形式のエリアスキャナーが良いかと思います。測定範囲も10m以上を撮る事ができます。ただ、細かい形状を測定する事は出来ないので、細かな形状を測定する場合は、他の3Dスキャナーとの併用をお勧めします。

このように、要求精度が高くなると測定範囲が狭められてきます。たまに5mくらいのワークを0.05mmで測定したいと言われますが、出来なくはないですが高価な測定器になります。

精度と測定範囲と価格は、トレードオフの関係にありますので、目的にあった測定器を選ぶことをお勧めします。

*ご注意:今回解説した内容はあくまでも一例です。
近年の技術の進歩や組み合わせ技術で更に良い計測技術もありますので、
ご承知おきください。

現在の課題は、何ですか?3Dデータの活用幅は年々増えてきてます。皆様にあった測定器を正しく活用し、製品品質の維持・向上に役立っていただければと思います。少しでも参考になっていただければ幸いです。

「うちにあった測定器って何かな?」と思われた方は、事務局までご相談ください。その疑問や悩みを一緒に考えさせてください。

3Dスキャナーは決して万能なモノではありません。すべては使い方次第です。
使えない測定器は存在しませんので、「使えなくて困ったな」と思った際は、当会へご相談ください。

もっと詳しく聞きたい!

当会ではいつでも対面またはwebでご説明(初回無料:2回目以降有料)いたしますので、興味をお持ちの方は是非お知らせください(メール相談は無料です)。
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