第5回:リバースエンジニアリングと3Dスキャン

リバースエンジニアリングとは…

リバースエンジニアリングとは、既存の製品(ソフトウエア、ハードウエア問わず)の構造を分解、解析し、そこから製造方法や動作原理、構造などを調査することです。通常、製品の製作は設計図から試作等を経て製品づくりが行われますが、その手順とは逆に、現物の製品から設計図を作ってしまおうというのがリバースエンジニアリングです。リバースエンジニアリングは、他社製品の解析、ベンチマーク取得、アフターパーツ作成といった様々な目的で盛んに行われています。

3Dスキャンとリバースエンジニアリング

ハードウエアのリバースエンジニアリングは、現物から3Dデータを作成できる3Dスキャンととても相性が良いです。一般にハードウエアにおけるリバースエンジニアリングは、現物の製品からCADデータを作成するところまでをいいます。手作りしたモックや、試作段階のクレイモデル等からのCAD化はもちろん、補修を加えて元の設計図と異なっている金型複製のためのCAD化、欠損部分をぴったり補うために欠損箇所をスキャンして欠損部分のCADデータを作成するなど、様々な用途が見られます。また、一度3Dスキャンして3Dデータ化した後には、3Dデータ上でデザインの変更や修正をおこなうことができます。

CAD化には高度な知識と経験が必要

この記事をお読みの皆さんに質問です。あるワークをスキャンした点群データがあり、これを人力でCAD化してリバースエンジニアリングするとします。ここで、AさんとBさん二人にこの作業をやってもらい、出来上がるCADは全く同じものになると思いますか。全く同じデータを元に作業しているのだから同じものが出来て当たり前だとお考えかもしれませんが、実はそうではありません。3DスキャンしたデータからCADデータを作る作業には、元のワークを作った設計者の意図をくみ取り、再設計するような工程となります。なのでCAD化には設計の知識も必要となるのです。
他にも、例えば塗装されているワークをスキャンした場合、そのままCAD化してしまうと塗膜の厚さが乗ってしまうので、その分オフセットしなければいけないといったケースや、使用環境での膨張を考慮されて少し小さく作られたワークの場合、現物の大きさが知りたいのか使用時の大きさが知りたいのかといった目的に応じて作業の内容が異なってきます。

このようにスキャンデータをCAD化するのには高度な知識と、その目的をしっかり理解する必要があります。3Dスキャン、CAD化の作業を外注する際も、目的をしっかり伝え、それを達成できる技術を持った会社に頼まないと、スキャンデータとCADは納品されたけど、全く役に立たなかったなんてことになりかねません。サービス業者をご選定の際は、価格のみでなくそういったところも考慮してください。

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