第28回:測定範囲を超えるワーク

長いワークはどう測るの?

前回のスキャンの順番も続きになります。測定範囲を超えるワークの測り方を紹介します。
測定範囲を超えるとは、1回のスキャンで測り切れない大きさのワークと言う意味合いになります。

「測定範囲?」と思われる方もいるかもしれませんが、3Dスキャナーには測定範囲があります。門型三次元測定機(CMM)や多関節アーム型三次元測定器(CMMA)をお使いの方は、測定範囲がわかると思います。届かない範囲は測れませんよね?また、パターン投影カメラ式でも測定範囲があります。カメラ視野角の2倍までなら精度を保つことが出来ますが、それを超えると精度が著しく劣化していきます(トレンドセミナーの冒頭で紹介してます)。

と、言うように測定範囲で測る事が前提となっている3Dスキャナーですが、測定範囲を超えて測定する方法があります。

どうすれば良いの?多関節アーム式の場合は?

門型三次元測定機CMMの場合は、その高精度を保つ為に可動範囲を超える測定はNGです。
ですが、多関節アーム式三次元測定器(CMMA)の場合は、アームを動かす事で測定範囲を超える測定が可能です。実際には以下の手順で行えます。

1.スキャンを行う前に、可能範囲を確認しアームを設置場所(動かした時も)を明確にする。
2.動かす前と後にアームが届く範囲にある床や壁に位置合わせ用のターゲットを設置する(丸くて軽いものが適してます。)
3.アーム移動前の位置でターゲットとワークのスキャンを行い、保存する。
4.アームを移動させた後に、3を繰り返す。
5.スキャンしたデータ同士をターゲットを使って位置合わせをする。
そうすると、移動させた前後のデータが繋がり測定範囲を超えた測定を可能をします。
3か所以上アームを移動させる場合は、スキャンの順番通りに、中心から測るようにしましょう。

どうすれば良いの?カメラ式の場合は?

パターン投影カメラ式の場合は、3D座標測定システムを用いる事で、スキャナー自体の測定範囲を超えて、測定を行う事が出来るようになります。

1.3D座標測定システムでワーク全体の座標系を作成します。
2.作成した座標系にスキャンデータを重ねて行く。
これだけです。予め座標系を作成する事で、測定作業自体も効率化され精度も保持できます。3DSTでは、1mを超えるワークの場合はこの方法を推奨します。

3Dスキャナーは、1mm以下の精度で測定するたいへん精度の高い測定器です。その能力を十分に発揮させるために、測定精度を保った測定を行う事を心掛けていただければと思います。

もっと詳しく聞きたい!

当会ではいつでも対面またはwebでご説明(初回無料:2回目以降有料)いたしますので、興味をお持ちの方は是非お知らせください(メール相談は無料です)。
もっと詳しく聞きたい方は、事務局(info@3dst.org)までご連絡ください。

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