第40回:座標変換基礎知識:部分ベストフィット

座標変換?

座標変換の基礎知識として変換方法をご説明します。
「え?またそれ?」
と思われる方もいると思いますが、これから三次元に携わる方もいると思うので、ご説明します。
前回はベストフィット(最小二乗法)のお話を書きました。今回は部分ベストフィットです。

【前回のおさらい】
座標変換は大きく分けて2つの方法しかありません。

・3-2-1(面-軸-原点)
設計基準値を活用した座標変換手法であり、すべての座標変換の基礎となる部分である。

・ベストフィット(最小二乗法)
ワークの形状を活用し平均的に座標変換を行う手法であり、おおよその座標変換を行う際に活用する事が多い。また、基準(データム)が存在しないワークの座標変換を行う際のは、部分ベストフィットと言われる手法を活用する場合もある。

部分ベストフィット?

今回は部分ベストフィットについて説明します。第39回では、ベストフィットのお話しをさせていただきました。今回はその応用編になります。
データ同士の位置を合わせる際、形状の一部分を活用して位置を合わせたい、と思った際に役に立つのが部分ベストフィットです。
ワークの一部分だけを使い、部分的に平均的に位置を合わせます。
ベストフィットと違い、指定した一部のみを拘束するので基準が無いワーク等でも変形等の解析を行う事が可能です。

変換先に対して、変換元の点群データの一部のみを使い平均的に位置を合わせます。
ベストフィットとの違いは、全体か部分的かの違いです。

なぜ部分的に合わせる必要があるの?って思われた方もいると思います。
全体を平均的に合わせると、微妙な形状の変化がわかりづらい場合もあります。
部分ベストフィットを使う事で、ワークの左側だけを平均的に合わせて、右側の同行を把握する等の事が可能となります。

ですが、部分的ではありますが、ベストフィット同様平均的に位置を合わせてしまう為、形状誤差が大きい場合、ずれて合わせてしまう場合があるので注意が必要です。
前回同様、断面線で比較してみます(下図参照)。青が衝(しょう)となるデータ(基準になるデータ)、赤が3Dスキャンデータとします。ベストフィットと部分ベストフィットの合わせ結果の違いになります。
位置合わせを行うたびに、座標系が変わる事も発生します。正確な位置合わせが出来ているが不明なので、本手法を行う際は注意が必要です。

活用場面例:基準が変形してしまう樹脂部品の位置合わせ
      座標基準ではなく、形状基準のワーク

なんとなくわかったけど…

簡単な説明になっていまいました。ゆっくり説明できれば良いのですが、web上ではニュアンスが伝わらないかなと…

自分のやり方はあっているのかな…って思われた方は、是非当会にご連絡ください。
データを拝見させていただければ、正しい方法かどうか判断いたします。
間違えた位置合わせで評価を続けてしますと、直る製品も直らず、場合によってはもっと悪くなってしまう事もありますので、ご注意ください。

もっと詳しく聞きたい方は、オンデマンド講座の3Dスキャンの基礎、セクション4をご覧ください。

もっと詳しく聞きたい!

当会ではいつでも対面またはwebでご説明(初回無料:2回目以降有料)いたしますので、興味をお持ちの方は是非お知らせください(メール相談は無料です)。
もっと詳しく聞きたい方は、事務局(info@3dst.org)までご連絡ください。

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