第46回:面軸原点とベストフィット、結果の違い

面軸原点?ベストフィット?

位置合わせの代表的な手法で、「面-軸-原点」とベストフィットがあります。
位置合わせのやり方で、代表的と言うか大きく分けてこの2通りが主となってます。
近年のソフトウェアでは、位置合わせメニューがいくつかありますよね?基本的にこの2つの位置合わせから派生したものになります。
N点合わせ、軸指定、部分ベストフィットなどなど…
この2つの位置合わせの考え方については、第38回第39回のコラムをお読みください。

では、どちらの位置合わせ方法が良いと思いますか?
専らスキャン作業やデータ処理を行っている方ならわかると思いますが、まだ始めたばかり、これからって方には、(。´・ω・)ん?って思うかと思いますので、合わせた結果の違いを紹介したいと思います。

同じじゃないの?

そう思われる方もいるかもしれませんので、合わせた結果の違いを紹介します。
下記図を見てください。
左図が「面-軸-原点」で位置合わせを行った後のエラーマップ(カラーマップ)です。
位置合わせ箇所は図の手前側で円や面を使って合わせてます。
右図が「ベストフィット」 で位置合わせを行った後のエラーマップ(カラーマップ)です。 位置合わせ箇所は全体を平均的に合わせています。
エラー?カラーマップ?って思われた方は第26回のコラムをお読みください。

同じいかがでしょうか?同じスキャンデータを使い、同じCADデータに位置合わせをしているのに、色合いがまったく違うと思います。
特に注目して欲しいのが、赤い丸を付けている部分です。

左図の青色が濃い色をしているに対して、右図は水色から緑になっているのがわかると思います。左図はCADデータに対して、下方向に位置しているのがわかると思います。(ほかにもいろいろと見えてきますが、細かすぎるのでここでは説明を省きます…)
赤い丸の部分が他にワークへ取り付ける部分だとしたらいかがでしょうか?
ベストフィットでは、問題無いように思えるので、付けてみたらつかなかった!って事も考えられますよね?

例えば…
自動車のドアパネルの場合…
3DスキャンしたデータをCADデータへ位置を合わせる時にどこを使って位置合わせしますか?
ベストフィット(最小二乗法)で位置合わせするのが簡単なやり方だと思いますが、その手法で製品の出来栄えをちゃんと知る事が出来るでしょうか?
真ん中は合ってるけど、端っこはずれてるように見える、全体は合ってるように見える、など何となくわかるかと思いますが、他の部品を付けるとなるとそれだと困りますよね?

このように位置合わせの手法の違いによって、ワークの状態が視覚的に変わります。
あなたがスキャン業務をしていて、他の方から「ちょっとスキャンしてー」って言われた際、
あなたは、何でスキャンする必要あるの?何が起きてるの?どのようになっているの?って、
聞くと思います。聞いた事柄と比較結果が違っていたら、位置合わせのやり方を見直してみることから始めて頂ければと思います。

どちらの手法を良く使いますか?

一概には言えませんが、どちらを選べば良いかはこんな感じかと思います。
・面-軸-原点:鉄等の剛体で、ワーク単品またはアセンブリワークでの検査用途
・ベストフィット:樹脂部品などの柔らかく、基準が無いワークの検査等
ワークによって、位置合わせのやり方が変わりますので、依頼元に確認する事をお勧めします。

位置合わせの方法がわからない

これまでに前例が無い、基準位置が不明確等の理由で位置合わせ方法がわからない…
なんて事もたまにはあるかと思います。そんな時には、是非当会にご相談ください。
また、当会認定の”3Dスキャントータルアドバイザー”にご相談ください。
良く分からないから教えてって感じで構いませんし、一緒に方法を考えますので!

もっと詳しく聞きたい!

当会ではいつでも対面またはwebでご説明(初回無料:2回目以降有料)いたしますので、興味をお持ちの方は是非お知らせください(メール相談は無料です)。
もっと詳しく聞きたい方は、事務局(info@3dst.org)までご連絡ください。

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